Proco/The RAT Fringe Logo

皆さんこんにちは!

 

前回はとても珍しいヴィンテージワウをご紹介しましたが、今回もとてもレアなヴィンテージディストーションを取り上げてみます。

 

Proco/The RAT Fringe Logo (お客様委託品)

https://tokyo-effector.jp/archives/effector/5239

 

こちらはProcoの製品でこの様な型番があったというわけではありません。海外のヴィンテージエフェクターマニアに呼ばれている俗称の様なものですね。

 

ProcoのRATというエフェクターは今や押しも押されぬディストーションの定番であり王道ですが、年代によって少しずつ仕様が変わります。

通常楽器店で新品で売っているものは正方形の箱形でガッチリしたイメージですが、Proco RATが登場した1978年から数年間はこのように若干長方形で金属が薄めの筐体でした。

この頃のRATをラージボックスと呼び、現在でもオリジナル(再生産のリシューも存在します)は高値で売買されている様です。

 

そして本題の写真のRATですが、これはラージボックスの中でも本当の初期にだけ採用されたロゴのものです。

Fringeというのはよくウエスタンジャケットに見られる袖に付いたヒラヒラ=房飾りのことで、相撲の力士のまわしにも付いてるアレです(笑)。アレがRATの“T”の文字に装飾されているので“Fringe Logo”と呼ばれているわけですね。

 

実際何台くらい作られたのかはわかりませんが、相当なレア物であることは間違いなく、ストラトで言うなら1954年の初年度製みたいなものであり、ヴィンテージエフェクターマニアの間では付加価値が極めて高いものだそうです。

 

さて、エフェクターなので肝心なサウンドの方はといいますと、私が個人的に所有している1986年製とはあきらかに違っています。もっと音圧があって良い意味で乾いている感じと申しますか。真ん中のツマミがフィルターでなくトーンなのも影響してますね。

この後RATの“R”の文字がネズミのしっぽみたくなるのですが、その(ロゴが変わる)過渡期にはネズミのしっぽRATでも全く同じ基板が存在したのでしょうからFringe Logoだけが特別な音色というものではないかもしれません。

ただ調べますとラージボックス時期にも使用パーツの変遷はある様ですので、このFringe LogoがRAT元来のサウンドということになります。

 

次に価格的な部分に関しては、私の主観で申し上げるならギブソンのPAFみたいなものかもしれません。裏に「Patent Applied For」(特許出願中)の文字が入ったシールが貼られているだけで、全く中身は同じなのにその後のナンバードPAFより倍以上するといった、このロゴがまさにPAFシールという印象でしょうか?

 

いずれにせよ実物を見たのは正直初めてで、本当に珍しい物であることは間違いありません。

そしてたとえばBOSS OD-1のレイセオンOPアンプの音が本来設計者が意図したOD-1のサウンドであるのと同様、このFringe LogoがRAT製作者が本来意図したサウンドであり、現在において海外でかなりなプレミアが付いていることは間違いないです。

 

そんなわけでご興味おありの方は是非お問い合わせ下さい。

 

ではまた!

 

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