BOSS/SP-1 Spectrum 後編

皆さんこんにちは!

 

昨日に引き続きBOSS SP-1 Spectrumのお話後編です。

 

さて、では発売当初にはわからなかったSP-1の魅力とは一体何か??それには当時の時代背景を想像してみる必要があります。

 

1970年代後半、アマチュアが自宅用で持つアンプ、あるいはバンドの練習スタジオに入っているアンプに関してはトランジスタアンプ(ソリッドステート)がそのほとんどでした。
つまり現在の様に練習スタジオに入ればMarshallやFenderが当たり前の様にある時代ではなかったということです(そもそも練習スタジオ自体がそう多くありませんでした)。

 

そもそもこのSP-1はアンプのVolをフルにすると潰れがちなチューブアンプの歪み(ナチュラル・オーバードライブ)をよりバンドの音の中で、前面に押し出す役目をする渋いエフェクターなんですね。
たとえばマイケル・シェンカーがワウを半踏みにした効果と同様とも言えますし、ブライアン・メイやロリー・ギャラガーのどこか鼻が詰まっているけれども前面に出て来るサウンド、本来はレンジマスター系トレブルブースターのサウンドと言えるのですが、それを狙ったパラメトリックEQなわけです。

 

もっとわかり易く言えば、チューブアンプがあってなんぼのモノなわけです。当然当時のアマチュアはその様な物は使用しておらず(チューブ仕様のアンプはありましたが、いわゆる本格的なチューブアンプという意味で)、使用しているのはプロなわけですからトランジスタアンプが主流の時代においては、誰もその存在意義がわからない、あまり効果を感じない風変わりなモノという印象があったのではないでしょうか?

 

しかしながら逆に言えば、1977年にBOSSが最初に発売したコンパクトシリーズ中の1台と考えますと、量産品でありながらも開発コンセプト自体は非常に優秀なもので、単純に時代に対応していなかったとも考えられます。むしろ90年代以降(良質なギターサウンドが音楽シーンに戻った)の方がその開発コンセプトがもっと理解されていたことでしょう。

 

BOSS COMPACT EFFECTOR BOOKの76Pに開発担当の方のコメントで以下の言葉があります。

 

「今と違って、当時はとにかく開発に長い時間をかけていたようです。特に初期のコンパクト・エフェクターは1機種あたりに、今では考えられないくらいの時間を開発にあてていたと聞いています。」

 

ということですので、BOSSが開発に長い時間をかけて満を持して発表した最初の機種であることは間違いないわけですから、つまり、そこにプレミアの正体があるわけですね。

 

「いやあそれでも現在の値段は高過ぎるでしょ?」とお思いの方はごめんなさい、今更ですがスルーでお願いします(笑)。

 

そんなわけで今回もお話が長くなり、希少なお時間をいただき大変失礼いたしました。
一応商品ページは以下となりますのでご興味ある方はご覧下さい。

 

https://tokyo-effector.jp/archives/effector/7911

 

ではまた!

 

 

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