ヴィンテージ・ギターに関する修理のお話

皆さんこんにちは!本日2度目の投稿です。

 

こちらのテレキャスターですが、実は私が数年前に売ったものです(もちろん店員としてですが、笑)。
1969年製のヴィンテージですね。非常に音が良く状態も良い、もう醸し出しているオーラが違っています。

 

このギターのオーナーはずうっと私がお世話になっている方で、いわゆるヘビーユーザーさんなのですが、今回どうもこの時期に付いているVolのハイパスコンデンサ(67年から70年代仕様)の音が気に入らなくなったということで相談を受けました。
が、しかし、コントロール系がしっかりオリジナルに保たれているこのギターに関しては、なるべくオリジナルを保っておきたいというのがこういった仕事をしている人間の人情と申しますか、考え方でもあるわけですね。

 

そんなわけで私がお勧めしたのは、最小限にいじること。たとえばこの場合でしたらコントロール系をまるごと新品に交換してしまうというやり方です。
そしてオリジナルは配線されたまままるごと保管する。そうすることによって使用による消耗もなくなりますし(そもそもSWやPOTは消耗品ですが)、いざという時にオリジナルに戻せます。

 

実はこの方法ですが、ブリッジサドルにおいても有効ですね。FENDER系の場合、材質が鉄なので使用していれば必ず錆びます。なのでなるべく浸食を抑えるため普段使用する時は代替に交換しておくのが後々後悔しなくて良いです。

 

ただ問題があるとすれば、交換によるサウンドの変化です。新しいPOTに交換すればそれは新しい音になってしまいます。元気でトレブリーと申しますか。ブリッジもある意味同様です。
しかしながらそうすることにより、思う存分に使用出来る、消耗品を消耗品と考えながら心おきなくプレイ出来るというメリット(精神的に)の方が大きいとも言えるわけです。また今回に関しては交換した結果、むしろ全てが良い方向に行ったと申しますか、材の鳴りの良さとPUの素晴らしさが相乗効果でより前に押し出される感じになりました。

 

今回の場合250kΩの通常のシングルコイルに使用するPOTに交換したのも正解と言え(この時期のオリジナルは1MΩ)、またトーン用のキャパシターだけはこだわってLUXE(NOSのセラミックコンデンサ)を使用したのも選択的には正解だった様です。LUXE使用に関してはサウンドはもちろん気休めもあるのですが(笑)。
とにかく今後において、無難に心おきなく使用出来るのは間違いないでしょう。何度も言っておりますが、楽器は使用してなんぼですから。

 

というわけで長くなりましたがまた!

 

 

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