SELMER WAH PEDAL Late’60s
皆さんこんにちは!
本日ご来店いただいたYさんはとても良質なヴィンテージエフェクターを多数お持ちの方で、今日もいろいろとお話をお聞かせいただき、仕事ではありますが楽しい時間を過ごさせていただきました。
さて、今日はそんなお客様とのエピソードの中でもとっておきの1台をご紹介しましょう。
こちらのワウはなんとあの、管楽器メーカーの老舗“SELMER”のワウです。「え!?何でまた??」というのが正直な感想でしょうが、私は初めて見ました。というよりその存在を知りました。
60年代後半のものの様ですが、Yさん曰く、元の所有者というのがプロコル・ハルムのメンバーだと手に入れた際に言われたそうです。しかもプロコル・ハルムの為に作ったという現在で言うところのシグネイチャーでもあり、おそらくまともな流通はされなかったものとも。
プロコル・ハルムはツインキーボード・バンドであり、「青い影」という曲が有名ですが、つまりこれはオルガン用のワウということになります。
考えてみればVOXも初期の頃はオルガンを作っていたわけで、またVOXのあの有名なワウであるクライド・マッコイはトランペット奏者のクライド・マッコイの名を冠しているわけです。
「ワウ、オルガン、管楽器」という三角関係…これこそが本来のワウペダル誕生の秘密???
しかもこのワウですが、SELMERで検索していてたどり着いたというのが以下のサイト。
http://www.vintagehofner.co.uk/gallery/gallery3/wah.html
このリンクの個体をよーく見ると傷のつき方もパーツの並び方もなんと同じです。
で、現在はなくなっておりますが、ボディーに付いた輪っかの様なもの、これはオルガンのサスティーンペダルかその近辺から離れない様に付いていたパーツではないのか??ということはそれだけ数がないということにも繋がり、本当に本人が所有していたそのものではないかという可能性も出て謎が謎を呼んで来るわけですが、いやあちょっと今回ははてなマークばかりです(苦笑)。
肝心なサウンドの方ですが、踏みしろの感じはVOXヴィンテージとは異なるものの、音はまさに60年代のヴィンテージ・ワウという感じで非常に奥が深いものでした。もちろんギターでも問題なく使えましたし、SELMERでもグレーハンマートーンっぽいフィニッシュなのが意味深ですね(笑)。
いやはや、凄いものを拝見しました。
ではまた!
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